画像出典:Canva
グレーヘア移行期の「染めたい衝動」を乗り切るコツ
カラーリングヘアからグレーヘアに移行して行く途中、白髪の新生部が4〜5cm伸びてくると今までカラーをしている人は染めたい衝動との戦いになりますよね。
禁煙やダイエットなどと同じで、カラーをいきなりやめることは根性だけでは難しいもの。染めたい衝動を満足させつつ徐々にフェードアウトしていくのが継続のコツかなと思います。
そんな時、新しく生えてきた部分との境界線がはっきり目立たないようにすることで見た目や精神的な負担を減らす作戦を紹介します。
グレーヘア移行期の気になる境目をナチュラルにぼかすカラーの一例
カラーヘアからグレーヘアにしている途中のお客様の例です。もともと明るめのベージュブラウンのカラーリングをされていました。
カラーをしなくなって4ヶ月程経ったとこらで、カラーしていない所と以前染めていたところの境目が気になると言うお悩みでした。(許可を得て撮影させていただきました)
たしかに境界線が目立って来て染めたくなる時期ですよね。正直に言うとこのくらいで挫折してしまう方が最も多いものです。
このくらいの時期がいちばん、がまんを強いられるときですよね。いつもはこの段階で染めるので白髪の見えない姿に戻ることができますが、いつもの習慣というものは長年の繰り返しで身についたものなので急に変えることに抵抗を感じるのも無理はないことだと思います。
ここの時期を乗り越えて頭の半分以上が自毛の白髪の色になる頃には、周りの人も自分自身もグレーヘアに見慣れてきているのが一般的です。
でも、「少しでもカラーしている時とのギャップを目立たなくしたい・・・。」大半の方はそう思っているでしょう。
自然に境目をぼかしていく部分的で最低限のカラーリング
今回は「境目をぼかす」ための必要最低限の部分的なカラーリングをして自然にカラーヘアからフェードアウトしていくお手伝いをしました。
全体を染めるのではなく、境目部分にまたがるように、ウィービング(毛束をミリ単位で細く縫うようにすくってホイルの上で染める技法)で行なっていきます。
あくまでカラーをしないで白髪を生かす方向に向かって行くために、すでに染まっているところには余分な色素を入れないようにします。
境目のラインをぼかして自然なグラデーションをつくっていくイメージです。
上の写真のように、表面や境目が目立つ部分を見極めて、ぼかすための淡い色素を入れていきます。
After
Afterの画像が仕上がりです。
伸びた白髪部分との境目のラインが柔らかくぼかされました。
下の方の髪が黒いのは、もともと白髪がない部分です。こちらの方の場合、頭の上半分は白髪が多め、下半分は白髪が少ないです。
カット時に、以前染めていた部分が完全に無くなったので自毛の色になっています。(撮影ご協力ありがとうございました。)
あとは、定期的にカットでシルエットを整えて、ご自宅でのお手入れも続けていくと艶のある美しいグレーヘアスタイルが完成します。
こちらの方の場合2年強でカラーした昔の髪がカットして無くなり、全部グレーヘアになりました。
完成を楽しみに、のんびりと焦らず過ごしていくのがポイントです。
それまでの間に、グレーヘアに似合うリップの色や洋服の色を探してみるのもワクワクして楽しいですね!
グレーヘア移行のコツ
今まで長年カラーしていた人がグレーヘアに移行する間、やはり多少の覚悟と我慢が必要です。
今まで積極的におしゃれを楽しんでしていた人なら、「グレーヘアになってからもセンス良くおしゃれでいたい」と考えている方が多いのは当然だと思います。
センスが良く清潔感のあるグレーヘアになるヒント
- ツヤを保つお手入れ
- カットがきちんとされている
- メイクや服装の色使いのバランス
こういった点に気を配っていくと、凛とした健康的なグレーヘアスタイルに近づきます。
グレーヘアになるためのマインドの持ち方
グレーヘアになりたいとカラーをやめて3ヶ月、ここで大半の方は一回目の「壁」にぶち当たります。
そこを乗り越えた人たちは、頭の上3分の1くらいが白髪になる6ヶ月め頃の、第二の壁がやってきます。
マインドの持ち方としていちばん大事なのは「自分のありのままの姿を尊重する気持ちを自分自身が受け入れること」に尽きると思います。
他人から若くみえることは多くの人が望みますし、そういう要望があって美容室のカラーメニューが利用されていることも事実です。
今の年齢の自分のありのままの容姿を尊重したいという価値観を持っている人がグレーヘアという選択肢を選ぶと思います。
誰かのためにではなく、自分の価値観でグレーヘアライフを楽しんでいる方は本当に似合っているし、輝いて見えます。
無理をしてグレーヘアを目指さなくてもOK
また、グレーヘアになるのは無理だなと感じたり、ヘアカラーをやめることに違和感を感じるときはやめてもいいのです。
グレーヘアに関心のある人はそれぞれのタイミングでグレーヘアになりたい時期がやってくると思うし、一生グレーヘアにしたくない人もいます。どちらもその人の価値観です。
本当は染めていたい人が、流行しているからと無理をしてグレーヘアにすることはありません。
グレーヘアになりたい人、グレーヘアが素敵だと思う人がグレーヘアを目指せば良いのでは、というのが私の本音です。
グレーヘアになることを周りにカミングアウトした私の友人の例
私の長い友人で、40代にしてすでに数年前からグレーヘアになるためカラーをやめた人がいます。
彼女は企業に務めており現在は責任ある立場についていますが、若い頃から「お母さんみたいな真っ白の白髪になりたい」と言っていたこともありグレーヘアに対して肯定的でした。
友人の中でも「まだ早いんじゃない?」という人がいたり、「いいね」という人もいました。彼女は最初は「やっぱり染めているのがふつうなのかな?」と私に聞きましたが私は「そんなことはない」と答えました。もともと彼女は若干のアレルギー体質もあるのでカラーをやめたいと早い時期で感じていたようです。
彼女は、職場で親しい人たちに、「グレーヘアにするんだよね」とカミングアウトしていたそうです。大半の人達は「いいんじゃない?」「そうなんだー」といってくれたそうです。
顔が若いのに頭が白髪なのではじめて会う人はちょっと「あれっ?」となるらしいですが、最近では彼女のように比較的若くしてグレーヘアにしている人も少なくないので大して困ったことはないようです。
周りに宣言することで、「ああ、ちょっと白髪が伸びてるけど、グレーヘアにするって言ってたな」と思われるので気がラクです。肌が弱いから、と伝えるのも効果的かもしれません。
そんな彼女はだいたい2.5年位でほぼグレーヘアになりました。今では、すっかり自分の素髪になってグレーヘアが彼女のトレードマークになり以前より少しカジュアルなヘアスタイルとファッションを楽しんでいます。
グレーヘアに関心のある方へメッセージ
女優さんや芸能人のように毎日お付きのスタイリストがいなくても、キレイなグレーヘアは育てられます。20年のサロン経験の中でさまざまなタイプのグレーヘア、グレーヘアカラーづくりに伴走させていただきました。
カットだけは白髪でもそうでなくてもこまめにしたほうが清潔感を保てますし、おしゃれに見えます。
これからグレーヘアになりたいと考えている人、白髪を生かしたカラーリングを考えている人さまざまな不安や疑問があると思います。白髪の混ざる度合いや髪質などは本当に一人ひとり違うものです。あなただけのオリジナルの美しいグレーヘアを育てるために個別にご相談をお受けしております。